(交渉編5)私の夫は浮気がバレて、別居しました。
『差が埋まらないと、それなりの対処を
考えますか』
『どういう意味でしょうか?』
『具体的には何もないですがね』
『裁判にします。会社にも公になるで
しょうし、私としてはそれで請求額が
下がっても悔いはありませんから』
『・・・・・・・』
ここからの駆け引きが、長かった。
『裁判はお金もかかるので困ります
何とか、250万でお願いします』
『もう少し具体的に、収入がこのくらいで
月々このくらいの支出があってとか
説明されてはいかがですか?』
『250万では無理ですよ』
『とりあえず、話を聞きましょうよ』
この女性、月の収入と支出を記憶して
いないのか?
スマホを電卓代わりにしながら、ブツブツ。
更には、メモまでする始末・・・・
何度も計算を繰り返すところを見ると
改ざんしていることがバレバレだ。
『あの~手取りで25万くらいで、毎月
家賃が8万・光熱費他が3万・ローン
が3万・スマホ代が2万・食費が4万で
美容室と昼食代などで5万なんです』
『ふ~ん、賞与は?』
『親に借入があるのでボーナス時に
20万づつ、ローン分が10万づつ。
なので、分割でボーナス払いなら
払えるかと。』
『いくら払えるの、ボーナス時に』
『30万くらいなら』
『年間60万?貴女、ローンって何?』
『エステ、脱毛です』
『ムダ毛か!貴女の存在も私には無駄』
『・・・・・・』
『月々はどうするん?』
『月々は残業代とかを支払いに回して
5万円くらいであれば可能かと思います』
『それで年間120万、5年もかかって
払う気?貴女、5年後にいくつになる?』
『42です』
『ババじゃん!』
『・・・・・・・』
『今、家賃って言わなかった?あそこは
貴女の住まいなの?』
『・・・・・・・・・・』
『え、違うんですか?』
『はい』
展開が変わりそうな気配。
『書いた書面の住所はあの場所ですが
ウソだったんですね。』
『はい、すいません』
『この期に及んでまだ隠すの?』
『免許証か車の車検証を見せて
もらえますか』
免許証の住所は、浮気夫との住所では
なかった。
そして、車検証の所有者は男性名義。
『この男性との関係は?』
出張先で密会している男性名でもない
同姓なのだが・・・
『・・・・・・』
『誰よ!』
『・・・・・・』
沈黙が続く
『話せないという事は、身内ですね
しかも、父親ではないのですね
もしかして、ご主人?』
『え~結婚しているの、この人』
『・・・・・・』
懇親会会場付近にいるStaffから
浮気夫が会場をあとにして、男性3名と
別な飲食ビル内にあるラウンジに入店
すると一報が入る。
同時に浮気女の電話に着信が・・・
『彼からなんですが・・・』
『誰だよ、貴女の旦那さん?
それとも、私の旦那?』
『ご主人です』
『この場で出てもらえます?女友達と
一緒にいると。』
周囲から聞こえてくる音楽もあり
浮気夫が疑う余地も無いだろう。
浮気夫からの電話をうまくかわし
再び話し合いに。
『あの、一括で支払いますから
500万でよろしいでしょうか』
流れが変わった・・・続く